「このままではいけない!」

 ヴァンパイア・ロードは絶叫した。

「この!闇の貴公子が!永遠の若さと美しさ、そして強さを誇るこの私が!なぜ!あのような下賎な冒険者どもにぃぃぃぃ!」

「そーゆーところが、むかつくんだよォ」ズバァ


 今日も今日とて、ワードナ(と、ヴァンパイア・ロード)を成敗したフォアグラーズ。

 今夜も50000gで大宴会なのだろう…死人が出なければいいが。



 ……しばらく後、地下10階……

「おのれおのれおのれええぇえぇぇぇ!」

 こりもせず復活したヴァンパイア・ロードは、こりもせず絶叫していた。

「ワードナ様!あの者どもをこのままにしておいてよろしいのですか!!?」

「……まあ、そんなに興奮するでない、トクガワ…」

「トクガワじゃありません!!!なぜワードナ様までえ!」

「……だって、いちいちヴァンパイア・ロードって言うより楽なんじゃもん…」

「………」

 トクガワの耳に『楽なんじゃもん』がこだまする。

 楽なんじゃもん楽なんじゃもんなんじゃもんもん…

「ああ…もう私はこのまま永遠にトクガワなのか…ワードナ様まで…」

「わ、悪かった悪かった…」

 トクガワを慰めるワードナ…意外にやさしいのである。

 横断中の老婆を見ると反射的に財布をすってしまうのは、相変わらずなのだが。



「のう、トクガワ」

「…その呼び方は変えてくださらないのですね…」

「うん。だって、楽なんじゃもん」

 楽なんじゃもん楽なんじゃもんなんじゃもんもん…

「……」壁に向かって『のの字』を書くトクガワ。

「おぬし、日本語が書けたのか?」

「……」壁に向かって『nの字』を書くトクガワ。



「まあ、そういじけるな。あの連中は、そろそろ来なくなるはずじゃ」

「…え?そうなのですか?」

「おお。ピアとかいうサムライの持っているムラマサが折れたのは知っておるな?」

「もちろんですよ。そのおかげで、私は変な名前をつけられたのですから…」

「奴らはムラマサを鍛えなおしにいくはずじゃ…ムラマサの生まれし国へのう」

 『はっ!』と顔を上げるトクガワ。

「そっ…それでは!」

「うむ、奴らは移動するはずじゃ…外伝4へのう!」



 新展開への幕開けであった!
 (じゃじゃ―――――ん!!)




 さて、ワードナとトクガワが盛り上がっているころ、ギルガメッシュ・タバーンでは…

 生首がごろごろと転がっていた。

 こんな目にあっても懲りずに客が来るのは、フォアグラーズが飲食代をもってくれるからである。

「なんやそらぁ―――!」

「ほっとけえ――――!」

 …まだ続いていたようだ。


 「ラーメンサラダあー!」

 「たちのテンプラああー!」

 「よっちゃんイカあああー!」



 ……夕日をバックに涙しつつ、友情を確かめ合うフォアグラーズ。

 今日もとりあえず決着がついたようだ。なんの決着かは知らんが。



「なあピア、結局どうするんだ?ムラマサを直しに行くのか?」

「え?どこに?」

「…日出国、つまり、外伝4の世界へだよ!」

「…いや、やめとく」

「なんで!?」

「……だって俺、外伝4やってないから、わからないもん」



 新展開、ならず!!
 (どっじゃ――――ん!!!)





 「ふっふっふ!奴らがいなくなれば、またワードナ様と私の天下にズバァ

負けるな、ヴァンパイアロード!

くじけるな、ヴァンパイアロード!!

きっと、お天道様は見ていてくれるさ!!
「灰になるうぅぅぅ――――!」

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