ここはワードナの迷宮、地下10階。

Poison Giantの無傷の死体がごろごろと転がるなか、宝箱の前にかがみこんでいる男。

フォアグラーZの一人、忍者のバカである。

他の二人…ピアとムタは遠巻きにそれを眺めている。どうやらバカの腕を信用していないらしい。

「だって、所詮バカだし」

身もふたも無い。

だが、今回だけはそれも無理はないようだ。

なにしろバカが探知した罠は「人肌」、ムタがCALFOで感知した罠は「粘液」なのである。

ピアとムタは無言で後退し、なるべくシールドの影に隠れるようにしている。

一方、バカは嬉々として罠をはずそうとしている。どうやらいやらしい想像をしているようだ。

「うきっ、うききっ」

「…むひゃひょ――――!」

地下10階、モンスターの死体に囲まれて、宝箱の前でリビドーを全開にする全裸の忍者。

なかなか見られるものではないが、だからと言って「見たい」と思う人間もいないであろう。

と、その時!

きゅど――――――――――ん!

宝箱が爆発した!

飛び散る破片!巻き起こる爆風!吹っ飛ばされる全裸。

…しばらくたって、ピアとムタは視界の隅に移る痙攣全裸を無視して、宝箱のあった所に歩み寄る。

すぐに動かなかったのは、吹っ飛ばされたPoison Giantの下敷きになっていたからである。

さすがにGIANT族、重い。……ムタは多少うっとりした表情をしていたようだが。

宝箱のあった所には……何も無かった。

…いや、小さな水溜りがある。上から何か雫がポタ、ポタ、と落ちてきている…。

くるりと回転してから上を見上げるピア。彼はいちいち回転しなければ気が済まないのだ。

同じく上気した顔を上げるムタ。

そして、その視線の先には……!


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